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ハンディ型レーザースキャナー

送電線測量は道路が整備されていない山間部も対象となることから労力を要するとともに、急傾斜地や谷部においては滑落や転落の危険性が非常に高くなっています。そこで、ハンディ型レーザースキャナを用いた地上測量の出番です!ただ持ち歩くだけの手軽さで、正確な3Dマッピングを実現します。標定点(基準球)を設置すれば、公共測量座標値への変換も可能です。

機器の仕様

製品名 emesent HOVER MAP
レーザーセンサー Velodyne VLP-16【Puck LITE】
計測精度 ±3cm
レーザーレンジ 約100m(1~100m)
測定ポイント数 300,000点/秒
取得パルス数
システム重量 2.0kg

豊富なデータ取得で、高精度!

毎秒30万点の測定と2パルスの取得が可能な回転レーザーを搭載していることから、高精度なデータを得ることができます。図は、送電鉄塔敷地図作成において、実測によるものとハンディ型レーザースキャナによる測定結果を比較したものです。
空間があればレーザー光は隙間を縫って下方へ到達します(但し、障害物が2つ以上ある場合は地表面を捉えることができません)。

  • 取得バルス数が2点のイメージ図

    取得バルス数が2点のイメージ図

長距離計測が可能!だから、安全!

ハンディタイプとしてはレーザーレンジが100m迄と長く、長距離計測が可能です。これにより、急斜面や崩壊地内への立ち入りが不要となり、現場での危険を回避することができます。図は、実際の計測により作成した点群図です。建物や鉄塔・電線などの送電設備、高い樹木の形状を明瞭に表現することができます。また、電線と樹冠の離隔距離などを瞬時に測ることができます。

手軽で短時間の計測!

従来の測量機器類に比べ、極めて軽量・コンパクトな機器です。専用のアタッチメントによりリュックサックへの取り付けが可能で、フリーハンドの状態で計測することができます。屋内などでは、もちろん手持ちでの計測もできます。また、実質的には1名での計測が可能で、大幅な人員削減につながります。一度に大量の計測データを取得できることから、現場作業を非常に短時間で行うことができます。25,000平方メートルの急峻な山地を、約15分間で計測した事例もあります。なお、専用のアタッチメントによりドローンへの搭載も可能で、空中と地上の両方向からの計測ができます。

ハンディ型レーザー測量により期待される効果

  • 現場における作業人員の削減及び作業時間短縮による業務の効率化が図れます!
  • 急傾斜地や被災地など、滑落や転落の恐れがある危険箇所への立ち入り回避が可能です!
  • 計画構造物などの軽微な位置変更時の現地再測量回避が可能です!
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