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架空送電設備の劣化診断

架空送電設備は、電気を送る電線、電線を把持し絶縁を維持するための碍子等の金具、通電部と地上との離隔を確保するための鉄塔などから構成されています。安全に送電を行うためには、これら全てのパーツの健全性を維持する必要があり、当社ではこれらの設備の劣化診断を行っています。

鋼管鉄塔内面調査

鋼管鉄塔の内面の腐食については、外観検査では判らないため、鋼管の中に点検用カメラを挿入して点検します。またその結果、精密調査を要する箇所については、超音波測定器を用いて鋼管の外面から内部の腐食状況の診断をしています。

電線の腐食劣化調査

画像解析による電線腐食調査[住友電気工業株式会社様と共同実施]

電線は腐食が進むと、腐食生成物が素線間に充満し外径が増加します。当社は地上から高倍率スコープとハイビジョンカメラで電線を撮影し、画像解析により腐食箇所を高精度に見つけ出しています。
これまでに電線の腐食だけでなく各種の異常も発見しています。

  • 現地での電線撮影

    現地での電線撮影

  • 電線腐食部の事例

    電線腐食部の事例

電線腐食調査の特徴

  • 現地では安全な場所から高倍率スコープでビデオ撮影をします。
  • 撮影後に、画像解析により詳細調査をするので、現地では発見できない小さな外径の増加や腐食の兆候、電線の異常も発見できます。

撤去設備の劣化診断試験

鉄塔、基礎、電線、がいし、金具など、架空送電設備の劣化診断試験・寿命推定を実施しています。また収集した劣化データにより、地域別、環境別の腐食・劣化傾向を分析します。
腐食マップと関連付けることにより、将来の設備改修計画が効率的に策定できます。

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